佐助どんにしてほしい。
琴、9歳で失明。
大阪ではお嬢さんのことを糸さんと呼ぶ。妹がいたら小糸さん。からの「こいさん」。
明治時代半ば、大阪の上流階級の娘たちは屋外のスポーツを楽しむことが増えてきて、昔のような不健康な箱入り娘はいなくなった。
好きな人が好きな楽器を自分も弾きたいと思う佐助。
師匠についても「琴は三月、三味線は三年」と言われるほど三味線は難しい。
昔は芸のお稽古での折檻は当たり前。血みどろ事件も結構あるのね。。
こいさんはトイレの世話もお風呂の世話も全部佐助にしてもらう。「高貴な人」にありがちな、下の身分の人には羞恥心はない模様。
佐助に娘を丸投げの両親。将来はどんな根性のひねくれた女性が出来上がるのかと心配してる。自分たちで教育しろよ、と思うけど、この時代のこの階級の人たちは子育てしないんだものね。
どう見ても佐助の子。どこぞにやってもしまってもかまわない、というこいさん。
盲目のこいさん、でも美食家でおしゃれ。毎日一合のお酒、茶碗に軽く二杯のごはんに品数多いおかずを一箸ずつ。他、趣味は小鳥道楽。
白眼のところは固くて入らないけど、黒眼のところは二、三度つくと二分ほど入った。ここが一番ホラーで、背筋が凍った。
ただのサディズムやマゾヒズムといった関係でもなく、夫婦といったかたちでもなく、昔も今も変わらずの主従関係がお互いベストだったんだろうね。
あまりにもリアルに描写してあるもんだから、うっかり実話なのかと思ったよ。