This is about real witches.
先日観た映画の原作。
再読。原作ではノルウェー系イギリス人の話。
ロアルド・ダールがノルウェー系イギリス人なのよね。ダールはノルウェー人よろしく身長がとても高く198㎝もあったらしい。おっきいねぇ。
ダールの風刺のきいたユーモアの文章はもちろん、挿絵のクエンティン・ブレークがまたいいんよね。作風と絵が素晴らしく合ってる。
「坊っちゃん」のように主人公目線で話が進んでいき、名前は不明。おばあちゃんもずっと"My darling."って呼んでてかわいい。
このぼくちゃんがネズミに変えられても全然悲観的じゃなくて、ポジティブに受け入れてるあたりが健気というかホントいい子。
「学校に行かなくていいし、テストもないもん」っていう子供らしい発想までは想定内ですが、「おばあちゃんさえ側にいてくれれば他に何もいらないよ」なんて言うあたりでズキューン。
「ひとつ聞いてもいい?」と改まって聞いたと思えば、「ネズミは何歳まで生きられるの?」とおばあちゃんの寿命も一緒に心配してるところでこれまたズキューン。
「自分が誰であろうと、どんな見かけであろうと、誰かに愛されてさえいればネズミになったことなんて大したことないよ。」にもジーン。
ブラックユーモアでも有名なダール、ここぞというときにあったかいメッセージをポンと持ってくるあたりが天才児童作家と言われる由縁かと。
原作のおばあちゃんも葉巻吸ったりするなかなかのツワモノなんだけど、映画のように大金をくすねたりすることはないんだよなぁ。もともと裕福だし。
メディア化されても原作が一番いいのは当然だし、原作と違う演出になるのは当然としても、原作リスペクトはしてほしいよね。