日本人が早起きなのもふしぎはありません。夜は明かりが暗くて楽しみがないのですから。
イギリス人よろしく、皮肉めいた文章もピリリと響く。
開国してまだほんの十年足らずの日本をイギリス人女性がたった一人で旅してるなんて、ほんとびっくりよ。私だって無理だ。
イザベラ・バード、この時御年なんと47歳。今でこそ、この年齢で女性が海外一人旅もアリなんだろうけど、ほんの10年前まで鎖国してた国よー。(2回目)
本国イギリスにいる病弱な妹宛てに書いた手紙が主で、他メモなどで構成れており、当時のイギリス人女性の本音が記録されている。
とはいえ、日本のことをアゲたりサゲたりと忙しい。どちらかというとサゲ多め。冒頭から日本人は醜いだの、汚いだの、黄色いだの、蔑視的な表現てんこもり。田舎のほうに行くにつれ、衛生面でよろしくなく不衛生で不潔といった表現が多々出てくるんですが、それはしょうがないにしても、人種的な容姿についてケチョンケチョンに書かれてあるので、「そりゃないぜ、バードさん」って感じです。
ただ、外国人女性が一人旅をしても危険な目に遭うことがなかったことや、どんな貧しい地域に行っても日本人は礼儀正しく親切であった、ということは随所に出てきて、オオーと思いますね。まぁ、そんな人たちのことも醜い容姿ってイザベラは言ってますけど。醜いけど親切な人たち。。すごい書かれよう。
日本人の道徳観を褒めたたえるかと思いきや、次の瞬間では道徳が最低基準にある、と書かれていたり、どっちなの、とツッコミたくなる箇所も。
まぁ、よその国の人の容姿を醜いと言ってる時点で、現代人からしたらアナタの道徳もそれまでよ、と思っちゃうけどね。
イザベラ、絵がめちゃくちゃうまいです。頭もかなりいいので、学者レベルなんだろうなといった印象。アイヌの人たちのスケッチもウィキペディアに載ってたよー。
通訳兼従者の伊藤鶴吉だけど、イザベラから見てかなり面白い存在だったんだろうね。結構途中途中で伊藤観察日記みたいになっていて面白いです。というか、伊藤が面白すぎる。
漫画版も脚色があるとはいえ、よく反映してるなーと思います。