梅子の休日

ネタバレなしよ。

明治十手架 上 山田風太郎明治小説全集 13

その話、くせえ。

 

講談っぽい始まり方。

 

原胤明、日本で初めてのキリスト教教誨師。16歳のときに御一新。当時はすでに家督をついでいて与力として働いていた。

 

御一新後も与力同心はそのままの業務を続けていた。奉行とちがって世襲だし、江戸の治安をすみずみまで知ってるから。官軍はそこまでできない。

 

薩摩のイモ侍、長州のフグ侍。

 

人足寄場、寛政のころに長谷川平蔵がつくる。懲罰じゃなくて、まっとうに生きるための職や心構えを教える場所。石川島。

 

講談風だったのに、ふつうの小説に戻った。

 

廃刀令は明治9年。

 

ドクトル・ヘボンは名医。特に眼科の大家。

 

十手はそもそも武器というより防御用の道具。

 

岸田吟香ヘボンの辞書編集の助手。息子が岸田劉生

 

人間には祖国以上の世界がある。人によって世界観がちがうのよね。

 

出獄人保護、寄付金で賄っている。税金とかにすると、かえって出獄人たちにとってよくないからだとか。渋沢栄一が太っ腹なのよー。

 

原胤信主水(はらたねのぶもんど)、徳川家光のころのキリシタン邪宗門と捕らわれて、手足の指切断、額に十字の烙印。棄教しなかったもんだから、後に火あぶりの刑に。胤明の先祖。

 

陸蒸気(おかじょうき)、列車の意。

 

いきなり豹変したぬらりひょんの安。こわいよぅ。

 

富田銀次、のちの仕立て屋銀次。明治のスリの大親分。規模がふつうに大会社なみ。その子分が昭和まで活動してたらしい。

 

おっ、イザベラ・バード!もっと出てこないかなぁ。

 

風邪ひきのためのマスク、西洋雑貨店にてこのころから登場。

 

常臭犯(笑)。

 

北海道官有物払下げ事件、10年計画の期限に達し、延長しようとしたけど、西南戦争の後で財政困難のため打ち切り。民間で開拓事業を継続。黒田清隆開拓長官。ただ同然の金額で払下げ。五代友厚が引き受け、批判される。

 

一度貼られた張り札はいつまでもたたる。一度貼られたレッテルは、ってやつか。

 

「人間てえものは、みんな過去に、実に重い石を引きずってるなあ。」解放されたいところよね。

 

「どんなに運が悪くても、その人の生き方次第で、きっといい星に変えることができると思うわ。」ほんとそうだと思う。

 

小林清親、元幕臣の浮世絵師。この頃はやりの「僕」を使う。

 

化師(ばけし)、博打打ち・イカサマ師の隠語。

 

ツル、金の隠語。

 

あ、いきなりのファンタジー来たね。取れない十字架。