人間、何かやって、あとで役に立たんことは一つもない。
明治十手架(後半)
原胤明、「牢生活もいい勉強だ。」
桶洗い、トイレ用の鉄製の桶を当番制で囚人が洗う。
「くそー!」この罵声ほど実体を表現したものはない。風太郎面白いこと言うよねぇ(笑)。
警視総監、初代川路利良、二代目大山巌、三代目樺山資紀イマココ。
夜のムショ飯。麦飯、菜っ葉の煮つけ、沢庵。ザ・モッソー飯らしい。おいしそうだけど、古いらしいの。
見えない十手に助太刀する幽霊。
完全ファンタジーだったなぁ、この話。
明治かげろう俥
大津事件、来日していたロシアのニコライ皇太子が日本の巡査から切りつけられる。
事件聞いた伊藤博文、ごはん中に箸を落とす。
皇太子の傷は大したものではなかった。いや、ひどいよ。
皇太子を救った二人の車夫が英雄に。北賀市太郎と向畑治三郎。
成功したらもれなくついてくる「自称親族」。
日清戦争、車夫が従軍するのは初。
お蓮、ドロンを決め込んだ。そりゃそうだ。
明治30年、両国川開きの橋崩壊。二百数十名落下。30名ほど生死不明。
執行猶予が取り入れられるのは明治38年。
「みなさーん、眼を覚ましてくださーい。」救世軍。
ただのアーメン。ひどい言いよう(笑)。
二人とも実在の人物で、写真も残ってるのねー。北賀さんは実直だったみたいだけど、向畑さんは人生狂ったみたいで、勝新で映画にもなってる。観たいわ。
黄色い下宿人
コレにも収録されてた話ね。
これで山田風太郎明治小説全集おわり。うーん、うそみたいなほんとの話の多いこと!